何もしていないはずなのに、頭の中だけがずっと忙しい。
一人でいるのに、誰かと会話しているみたいに言葉が止まらない。
「次はこれをやらなきゃ」
「さっきの言い方、まずかったかも」
「もっとちゃんとしないと」
そんな脳内の独り言が続いて、
気づけば体より先に、頭がへとへとになっている。
私自身、長いあいだそれが当たり前になっていました。
シングルマザーとして、仕事と育児と家事を回す毎日。
忘れないように、失敗しないように、
頭の中でずっと確認と反省を繰り返していたと思います。
さらに、機能不全家族で育った影響もあってか、
「私が頑張らなきゃ」
「迷惑をかけてはいけない」
そんな言葉が、無意識のうちに何度も頭の中で流れていました。
2025年3月、ADHDと診断されたことで、
この脳内独り言の多さは、性格や根性の問題ではなく、
脳の特性や疲れ方と深く関係していると知りました。
そして何より、
独り言を無理に止めようとするのをやめ、
「いま頭の中でしゃべっているな」と気づけるようになってから、
以前ほどへとへとにならなくなったのです。
独り言が多いのは障害ですか?
「独り言が多いのは障害なの?」
この疑問にたどり着く方は、とても多いと思います。
結論から言うと、
独り言が多い=すぐに障害、というわけではありません。
頭の中で言葉が流れること自体は、
多くの人に起きている、とても自然な脳の働きです。
ただ、
・量が多い
・止めたいのに止まらない
・休んでいるのに疲れる
こうした状態が続くと、
「普通じゃないのかも」と不安になるのも無理はありません。
脳内独り言は普通?ない人もいる?
「脳内 独り言 普通」と検索している方が多い一方で、
「頭の中で独り言がない人」も、実際にいます。
考え方には人それぞれのスタイルがあって、
言葉で考える人もいれば、
映像や感覚で考える人もいます。
どちらが良い悪いではなく、
ただの違いです。
自分の思考の形が、たまたま言葉多めなだけ。
それだけのことも、実は少なくありません。
頭の中が独り言を言うのはなぜ?
では、なぜ
頭の中で独り言が止まらなくなるのでしょうか。
私自身の経験を振り返ると、
そこには「サボっているから」ではなく、
むしろ逆の理由がありました。
脳がずっと整理を続けている
独り言が多いとき、
脳は休んでいない状態に近いです。
・忘れないように
・失敗しないように
・先回りして備えようとして
ずっと考え続けています。
真面目な人、責任感が強い人ほど、
脳は止まるタイミングを見失いやすいと感じます。
不安や罪悪感がベースにあることも
機能不全家族で育った人や、
人の顔色を見て生きてきた人は、
頭の中に「自分を監視する声」を持ちやすいです。
私も、
何か失敗したわけでもないのに、
「ちゃんとできてる?」
「もっと頑張れるよね?」
そんな声が勝手に流れていました。
ADHDの特性が関係する場合
「ADHD 脳内 独り言」と調べる方が多いのも、
珍しいことではありません。
ADHDの特性として、
・思考が次々に浮かぶ
・言葉で整理しようとする
・刺激が多いとさらに加速する
こうした傾向があります。
診断を受けて初めて、
「これは努力不足じゃなかったんだ」と
肩の力が抜けました。
独り言が多くなる原因は何ですか?
振り返ってみると、
独り言が多くなる原因は一つではありません。
・脳の疲れ
・生活の忙しさ
・不安の蓄積
・育ってきた環境
・発達特性
これらが重なったとき、
頭の中は自然と騒がしくなります。
「なんで私はこんなに考えてしまうんだろう」
そう責める必要はありません。
独り言を止める方法はありますか?
ここで一つ、
私が一番伝えたいことがあります。
無理に止めようとしない方が、楽になることが多いです。
止めようとすると、
「止めなきゃ」という新しい独り言が増えます。
私が楽になったのは「気づく」ことでした
あるときから、
独り言が始まった瞬間に、
「今、頭の中でしゃべってるな」と
そっと気づくようにしました。
評価もしないし、反省もしません。
それだけで、
少し音量が下がることが増えていきました。
書き出して脳の外に出す
頭の中で同じことを繰り返すなら、
紙やスマホのメモに出してしまいます。
・きれいに書かなくていい
・途中でやめていい
・誰にも見せない
「脳の外に置く」だけで、
考え続ける負担は軽くなります。
チャッター(頭の中のおしゃべり)との付き合い方
「チャッター」と呼ばれる
頭の中のおしゃべりは、
敵ではありません。
これまで、あなたを守るために
働いてきた機能でもあります。
だから、
消そうとせず、
黙らせようとせず、
「疲れてるんだな」と
気づいてあげるだけで十分です。
脳内独り言に気づけるようになって変わったこと
私自身、
脳内独り言を言っている自覚を持てるようになってから、
・脳の疲れ方が変わった
・自分を責める時間が短くなった
・休むことへの罪悪感が減った
そんな変化がありました。
止められなくてもいい。
コントロールできなくてもいい。
友人に送った動画と、あのときの言葉
以前、友人が
「頭の中の独り言が止まらなくてしんどい」
と話してくれたことがありました。
そのとき、私はこの2本の動画を送りました。
・https://youtu.be/uBjdpTuERVo
・https://youtu.be/HGVrJ36nGrM
正直、どちらも少し長めなので、
「気が向いたらでいいよ」と前置きしたうえで。
この動画を選んだ理由は、
「独り言を止める方法」や
「前向きになろう」という話ではなく、
自責の念を持たずに生きる選択肢もあるんだな
と気づかせてくれたからです。
自分を責めていないだけで、こんなに違うんだと思った
動画を見て、私自身もハッとしました。
頑張れない自分
何もしたくない自分
考える気力すらない自分
そういう状態を、
ずっと「ダメな状態」だと思っていたからです。
「何もしたくない」は怠けじゃなくて、疲労のサイン
私が疲れた時に、自分に問う質問があります。
「いま時間もお金も困らないだけあって、何がしたい?」
って自分に聞いて
「何もしたくない。寝ときたい」
って答えが出るときは、
限界が近い気がしてる。
脳内独り言がうるさいときは、だいたい余裕がない
脳内の独り言が止まらないとき、
「考えすぎてる自分をどうにかしなきゃ」と思いがちですが、
実際は、
もう十分考えすぎている状態なことが多いです。
だからこそ、
・止めようとしない
・前向きになろうとしない
・意味を見つけようとしない
まずは
「疲れてるだけかもしれない」
と扱ってあげる方が、回復は早いと感じています。
休めるときに休めたら、ちゃんと戻ってくる
私の経験上、
ちゃんと休めたあとって、
・また誰かと話したくなる
・どうでもいいことで笑える
・「まあいっか」が増える
そういう感覚が、自然と戻ってきます。
無理に切り替えなくても、
脳は回復するときは勝手に回復します。
脳内独り言が多い人のための 休み方チェックリスト
今の自分に当てはまるものに、
心の中でそっとチェックを入れてみてください。
全部できなくて大丈夫です。
□ 判断を減らせている
今日は
・何をするか考える時間を減らした
・選択肢をいくつも並べなかった
・「これでいいや」で終わらせた
ひとつでも当てはまればOKです。
□ 体を先に休ませた
・眠れなくても横になった
・肩や首をゆるめた
・お風呂やシャワーで一息ついた
考えが止まらなくても、
体が休めていれば十分です。
□ 何もしない時間を許せた
・生産的なことをしていない時間があった
・成果を出さない自分を責めなかった
・「今日はここまで」と区切れた
何もしない時間は、回復の時間です。
□ 脳内独り言に気づけた
・「あ、今しゃべってるな」と思えた
・止めようとせず、そのままにできた
・内容を評価しなかった
気づけた時点で、もう一歩休めています。
□ 刺激を減らす工夫をした
・照明を少し落とした
・音を小さくした
・スマホを見る時間を短くした
完璧じゃなくて大丈夫です。
□ ちょっと笑えた瞬間があった
・どうでもいい話で笑った
・子どもの言動に気が抜けた
・動物や動画で一瞬気がゆるんだ
「楽しもう」としなくてOKです。
□ 「何もしたくない」を責めなかった
・今日は休みたい日だと認めた
・怠けだと決めつけなかった
・回復期だと思えた
何もしたくない日は、
次に動くための準備期間です。
チェックが少なくても大丈夫
チェックが1つでもついていれば、
それはちゃんと「休めたサイン」です。
ゼロだったとしても、
「休み方の記事を読んでいる」時点で、
自分を放置していません。
休めたかどうかの目安
元気になったかどうかではなく、
・脳内独り言の音量が少し下がった
・自分を責める言葉が減った
・「まあいっか」が一瞬出た
これがあれば、十分です。
最後に
脳内独り言が止まらない人ほど、
これまでずっと考え続けてきた人です。
休むのが下手なのは、
サボってきたからではありません。
まずは、
横になること。
判断を減らすこと。
それだけで、今日は合格です。
まとめ
脳内の独り言が止まらなくてしんどいとき、
それは「弱さ」ではありません。
それだけ考えて、
それだけ頑張ってきた証拠でもあります。
少しずつで大丈夫です。
頭の中の声に、
「気づいてあげる」ところから始めてみてください。



