人に語りたい・応援したい・つくりだす作品に活力をもらっている。
推しの存在はまさに人生の光。
「無理…尊い…」と言語化できない気持ちをイラストで表現できたなら、推し活がさらに楽しく、好きの感情が膨らむことでしょう。
とはいえ、ファンアートを描いてみたけど魅力が上手く表現しきれん!もどかしい〜〜〜!!!
そこで、今回の記事では、実在する推しをイキイキとキュートに描くプロのイラストレーター・みずゆき彩矢(あや)さんに「推しをかわいく描くコツ」を3つ教えてもらいました。
- 推しをかわいく描いてみたい人
- 推しを似つつかわいく描けるようになりたい人
に参考になれば幸いです!
ちなみに、この記事で紹介しているコツとテクニックを踏まえ、過去絵をリメイクしてみたら…
活き活きとしたイラストを描くことができました…!!
【みずゆき彩矢(あや)】
実在する人物を描くことを得意とするイラストレーター。「かわいいのに似てる!」と評判高い。有名人のアイコン登用実績多数。
推しをかわいく描くコツステップ0:「推し分析」をしてキュンポイントを整理しよう
わたし、みずゆきさんが描く作品の大ファンでして。
老若男女、3次元の推しの魅力を2次元でもキラキラさせたまま描き切っていらっしゃるとこが大好きです。
「推しをかわいく」ために描く前に整理しておくべきことがあるんですよね?
そうです。推しをかわいく描くために、よく観察することは大前提なのですが、その上で“自分は推しのどこにキュンとするのか”がわかっているとイラストにしやすいです。
自分の中で何度も反芻して、結果、みたままを描くことにつながるので…
“自分は推しのどこにキュンとするのか”ですか!
あかん、推しの存在が光すぎて、具体的にどこにキュンとしてるのか考えたことなかったです。
推しのどこにキュンとしているのかについて、みずゆきさんがどんな分析されているかを実例で解説してもらいました!
「推し分析」のコツはともかく言葉にしてみること
推しの前にしたら「存在が尊い」となり語彙力が飛んでしまいます…
どうやって言語化してるのか教えてください〜!
推しを前にすると尊さで語彙が飛ぶ、身に覚えがあり過ぎてめちゃくちゃ笑いました!笑
推しにキュンとした時に「キュンとしたポイント」をダラダラと垂れ流すことが多いのですが、これを繰り返すことで自然と鍛えられるのかなと思います。
「最高」「好き」「尊い」だけで済まさず、どこが最高なのか?どういう風に好きなのか?なぜそこに尊さを感じたのか?をできる限り言葉にすることが大事と、みずゆきさんは言います。
「新しく上がった動画最高だった」
↓
「新しく上がった動画、照れ笑いが可愛いし、私服姿もたまらなくて最高だった」
目についたポイントを羅列するだけでも、自分がどこを見てキュンとしてるのかが分かるようになりますね。
これをイラストに活かすならば、“照れ笑い”と、“私服姿”を“その人らしさ”として組み込むことができます。
もっと突き詰めると、“この人は笑うときに眉毛が下がるんだな”とか、“笑ったときに見える犬歯が好き!”とか、“その人らしさ”を研究するキッカケにもなりますね!
普段から痒いところに手を伸ばそうとする言葉選びが出来ていると、スムーズに「推し分析」ができるようになるだけでなく、その人らしさを描く土台ができるんですね!
共通の趣味のお友だちと語り合うのも効果的
人の言葉に共感すると「あ、この感情はこの言葉に当てはまるんだ!」と気がついたりします。
人の萌え語りを読むのって楽しいし、読むだけでも身につくんじゃないかな〜と。
萌え語り、効果的ですね…!
尊いだけじゃなくてキュンポイントを分解すると絵に落とし込みしやすいんですね。
小説などを読んで推しを表現するための語彙力を上げることも効果ありそう…やってみますーー!!
推しをかわいく描くコツ①似せるために大事なのは顔のパーツを図形で捉えること
自分の推しの魅力を整理できたところで、具体的なコツを教えてもらいましょう。
似せるために押さえておきたい似顔絵の基本があるんですよね
そうなんです。
似顔絵の基本は“顔のパーツを簡単な図形に当てはめる”こと!
まずは、輪郭・目・口で表情をかいてみましょう。
輪郭・目・口の3つのパーツだけでも、個性が出ますね!
カクカクしてしまったり、固い印象になってしまうのを避けるために大事な点ってあるんでしょうか。
かわいくしたい時に意識しているのは“丸み”ですかね。
モチモチしてそうなものってかわいいので、ほっぺたとか唇とかは立体感を持たせがちです。
まさに!!みずゆきさんのイラストで好きなポイントが、思わず触りたくなる柔らかそうでフクフクとしたほっぺと唇なんです。
ほっぺと唇に立体感を持たせるために意識してらっしゃることってありますか?
コンパスで引いた丸より少しつぶれた、むちっとした感じがモチモチ感に繋がるかと。
焼く前のパン生地や、赤ちゃんの腕とかをイメージしてもらうと分かりやすいですかね。
直線よりも、少しだけ外側に膨らんだ線を引くことを意識すると丸みをおびてかわいいお顔になりますよ
モチモチになれ〜って意識して描くだけでやわらかさとかわいさが出てきました!
ほっぺと唇に立体感を持たせるアイデアとして
ことでさらに、モチモチやわらかさを表現できるんだとか!
推しをかわいく描くコツ②表情の書き方をアニメから学ぼう
みずゆきさんのイラストは、その人らしさや人となりが伝わりますよね。
具体的にどう描くようにしてるかお聞きしたいです。
言っていただいた「人となり」ですが、やっぱりその人ならではの表情から伝わるものなのかなあ、と。
表情筋って大体パターンがあるので、そこが分かるとテンプレートにしやすいのかも。
そうか…表情筋まで意識ことなかったです…目や口を顔のパーツとして捉えたとこはあるんですけど、表情は動いてこそですもんね
小・中学とアニメっ子だったので、表情の表現はそこからも来てるのかもです!
アニメもプロの仕事ですから、ちゃんとリアルの人間の道理が適っていて面白いです
喜怒哀楽の描き方をまとめてみると
喜:目尻が下がる、口角が上がる、眉間の間が広くなる、眉毛位置が高くなる
怒:目尻が上がる、口角が下がる、眉間の間が狭くなる、眉毛位置が低くなる
哀:目尻が下がる、口角が下がる、眉間の間が狭くなる、眉毛位置が低くなる
楽:目尻が下がる、口角が上がる、眉間の間が広くなる、眉毛位置が高くなる
目・口・眉間・眉毛位置の4つの位置を意識的に描いてあげることで、2次元のなかで動き出しそうなイキイキとした表情を描けるそう。
今までストーリーしか追ってなかったけど、アニメーターさんの仕事から表情の描きかた学ぼうと思います!
アニメだけでなく、漫画もイキイキとした表情を描く教科書になりますね…!すべてが教材だ
推しをかわいく描くコツ③眉の動きを書き足してさらに表情豊かに描こう
表情を表現するのに便利なのは眉毛ですね〜。
眉根が寄ったり、つり上がったり、ちょっとオーバーに描くと表情豊かになってかわいいです
いっつもなんとなく描いていた眉をオーバー目に描いてみたら表情が動きだしたー!!
眉毛、小さなパーツなのに影響力大きいですね!
推し分析+推しをかわいく描くコツを使って推しを書いてみました!
教えてみずゆきさん!さらに推しを描きたくなった人に向けての+αアドバイス
ここから先の内容は、さらに推しの輝きを表現したい方にぴったり!
プロのイラストレーター・みずゆきさんが実際に使っているテクニックを詳しく教えていただきました。
- 男女の描き分けにこだわりすぎず、◯◯や◯◯に注目してみよう
- 輝いた目を描くための基本は、◯◯◯◯を思い浮かべよう
- 推しの髪質を表現するのに大事なのは全体の◯◯◯◯!
- ◯◯◯◯で全体の印象を変えよう
男女の描き分けが苦手…コツや意識していることは?
男性と女性、描き分けで大事にしているポイントはありますか?
男性の推しを描こうと思ったら女性ぽくなってしまうのが悩みです。
あまり“男性と女性”で描き分けを意識したことってなかったかもです!
描き分けが出来ているとすれば、表情や仕草ですかね!
その人の容姿をもって、その人らしさがあるので、私の場合は、性別からくる身体的な特徴も内包して描いているというか。
なるほど…!
男女で描き分け!と頑張るんじゃなく、
描く人をつぶさに観察することが大事なんですね
絵柄にもよると思うのですが、
一般的なテクニックとしては、
・男性の身体は直線的・女性の身体は曲線が多い
・男性は頬の位置が高い・女性は頬の位置が低くふっくら
などが挙げられます。
その基本を押さえつつ、練習してみると変わるかもしれないですね。
まずは世間の大多数がイメージする、男性らしさ、女性らしさを知ることが大事だと思います。
基本をふまえた上で推しを見てみると、男性だけど指先が華奢で美しかったり、女性だけど筋肉が美しく骨格を感じられる体型だったり、発見がたくさんありました!
そうですね!観察するポイントが絞ることができると、推しの解像度が上がりますね。
人によって「男性だけど、お顔立ちが女性っぽい人」もいるし、「女性だけど、スレンダーで曲線が少なくカッコいい人」もいるので、個人の描き分けをするならば、上で挙げたような“比較できる基本”があるとスムーズに描ける気がします。
男女の描き分けにこだわりすぎず、表情や仕草に注目してみよう
頬の位置は?
体のラインは曲線直線?
歩く時、笑う時の体の動かし方など分析して絵に落とし込んでみましょう!
目の輝きをきちんと描きたい!光の書き方のマイルールはありますか?
みずゆきさんのイラストをみていると、キラキラが出てくるような目の輝きにうっとりします。
光の描き方のマイルールはありますか?
目の光の入れ方は絵柄の個性を出すのにかなり影響しますね!
どのくらい描き込むかで印象がだいぶ変わりますし。
私は絵柄によって描き込み度合いは調整していますが、基本的にはビー玉のように、光が当たる部分に1番明るい白を置いて、中央に瞳、上から下にかけてグラデーションが今よく描くパターンです。
デフォルメしない絵柄では、黒目の濃さによって色素の薄い瞳と、黒目がちな瞳の違いも描き分けできますよ。
色の配置と描き込み具合によって、瞳をかき分けられるとは驚きです!
いかに今まで適当に描いてきたのか…
輝いた目を描くための基本は、ビー玉を思い浮かべよう
光があたる方向を意識して、丸く輝くよう色を重ねてみましょう。
推しの目の特徴をもう一度観察して、茶色に近いのか黒目がちなのかで描き込み具合を調節するとGOOD!
サラサラもじゃもじゃふわふわ…推しの髪質を再現したいです。
髪を描くときのコツはありますか
推しを描くうえで髪型と髪質が似る・似ないを左右すると思うのですが、みずゆきさんはサラサラもじゃもじゃフワフワ、どんな髪質でも描き分けてらっしゃいますよね…!
髪の毛〜!描くの大好きなので質問いただけて嬉しいですー!
髪の毛というと、つい毛先を細かく描くことに意識がいってしまいがちかと思うのですが、重要なのは全体のフォルムです。
毛先の描き込みは1番外側の輪郭線が取れてから!
そこから、サラサラであれば緩やかな曲線を引いていく、くるくるモジャモジャなのであれば、くねくねとした線を散りばめていく。
どのくらい描き込むかは、絵柄によってバランスを見て…という感じですかね〜。
重要なのは全体のフォルム!
髪に関しても顔のパーツを図形で捉えたように、全体のシルエットを捉えてから細部に…の順番で描くのがいいんですね
特に天然パーマのような、フワフワした感じって、毛先がそう見せているのではなくて、全体のフォルムが「フワフワしてそうだなぁ」と感じさせるんだと思うんですよね。
推しの髪質を表現するのに大事なのは全体のフォルム!
髪のシルエットを示す、一番外側の線で描いてから、毛流れや毛先を書き足してみましょう。
イラストの印象を変えるための色づかいとは?
みずゆきさんの主線は、黒以外で描かれているイメージが強いです。
描きたいイメージに合わせて、使用する色を決めていますか?
線の色まで見ていただけて、嬉しいです…!
そうですね!カラーの場合は、
茶色→あたたかいイメージ
紺色→引き締まったイメージ…
というように全体の印象を変えるために色を選んでいます。
おおお!
パッキリした色合いの描き方は同じでも絵の輪郭が変わるだけで印象が変わりますね!
デジタルで仕上げをする場合は、線画と色塗りのレイヤーは分けて管理しているので、最後の方で線画の色を変えたりもしますね。
奇抜なカラーにすると、全体がポップで可愛くなったり、一部分だけ(顔の部分だけなど)色を変えてみるとか、いろいろ試してみると引き出しが増えて楽しいですよ!
主線といえば黒!と決めつけていました
表現したいイメージに合わせて色の使い分けやってみます!
主線の色で全体の印象を変えよう
かわいく描くコツ3つを押さえて楽しい推し活を!
推しをかわいく描くコツは以下の3点です。
1、顔の各パーツを□◯△で分析して似顔絵を書いてみよう
2、イキイキとして表情の書き方を取り入れてみよう
3、眉の動きを書き足してさらに表情豊かに描こう
さらに楽しく、細かく描きたくなったら
- 男女の描き分けよりも仕草や表情に注目してみよう
- 輝いた目を描くための基本は、ビー玉を思い浮かべよう
- 推しの髪質を表現するのに大事なのは、全体のフォルム!
- 主線の色で全体の印象を変えよう
みなさまの推し活がさらに楽しいものになりますように!
▼コミュ障でも会話が始まるアイコンを制作してもらいました
推しをかわいく描くコツを教えていただいたみずゆきあやさんに、アイコンを依頼し作っていただいたんです!こだわりや制作秘話を記事にまとめています。
「人となりが伝わる」似顔絵・アイコンをつくってほしいなと思っている方必見です。