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【危険】寝返り防止クッションは必要なし!知っておきたいリスクと注意点・うつ伏せでしか寝ない赤ちゃんの対策も解説!

「子どもが寝返りを始めたけど、寝返り防止クッションは必要なのかな?」
と検討している方は要注意!

寝返り防止クッションはリスクの多い商品です。赤ちゃんの窒息事故も相次いでおり、決しておすすめできません。

とはいえ、赤ちゃんの寝返りに悩む人も多いはず。
私には5ヶ月になる息子がいるのですが、うつ伏せの状態で寝ている場面が増え、窒息事故が起きないかと心配になったのです。

本記事では、外国の寝返り防止クッション使用の事例・市の助産師さんに電話相談をした内容も含めて、赤ちゃんの安全を守るために寝返り防止クッションが必要なのかをまとめています。

就寝時に赤ちゃんが危険にならないための安全対策も紹介しているので、ぜひ最後までお読みください!

寝返り防止クッションとは?

寝返り防止クッションとは、赤ちゃんの両脇を三角や筒状のクッションでガードして、寝返りしにくいように補助する商品です。夜間だけでなく、おむつ替えのときの寝返り防止に使う人もいます。

日本では、ベビー用品店・通販サイトで寝返り防止クッションが販売されています。

寝返り防止クッションは必要?
海外ではすでに販売中止しているところも

寝返り防止クッションは必要ありません。寝返り防止クッションを使うことで、かえって窒息などのリスクが高まるからです。

アメリカでは2017年から使用中止の呼びかけがされています。寝返り防止クッションによる事故が相次いだためです。

アメリカでは、2010年までの13年間で、寝返り防止クッションが原因で生後1〜4ヶ月の赤ちゃんの窒息事故が12件報告されています。

また、2017年にイギリスでも大手小売店が寝返り防止クッションの販売を禁止し、リコールをしています。

日本でも消費者庁から
寝返り防止クッションの利用に注意喚起

日本では事故が報告されていないことから、寝返り防止クッションを使用することは禁止されていません。しかし、アメリカの対応を受け、消費者庁は注意して利用するよう呼びかけています。

赤ちゃんの寝返りが危険とされる理由4つ

そもそも、赤ちゃんの寝返りを防ぐ必要があるのでしょうか。

赤ちゃんの寝返りによるリスクは4つあります。

  • 寝返りのリスク1:窒息
  • 寝返りのリスク2:ミルクの吐き戻し
  • 寝返りのリスク3:ベビーベッドなどからの落下
  • 寝返りのリスク4:乳幼児突然死症候群(SIDS)

それぞれのリスクについて、以下で説明していきますね。

寝返りのリスク1:窒息

赤ちゃんの首の筋力が発達していないうちは、顔を持ち上げられず鼻や口を布団で塞いでしまい窒息する危険があります。

寝返りをした赤ちゃんが自力で仰向けに戻れるようになる生後6〜7ヶ月までは特に注意が必要です。

また、布団と布団の間、マットレスとベビーベッドの隙間に顔が挟まれてしまうことも考えられます。マットレスとベビーベッドの隙間がないか今一度点検しましょう!

寝返りのリスク2:ミルクの吐き戻し

赤ちゃんは消化機能が発達していないため、ミルクを飲んだ後すぐに寝返りをするとミルクを吐き戻し、気管を塞いでしまうことがあります。

吐き戻しを防ぐ方法は、授乳後に十分ゲップをさせることです。縦抱きをして胃の中の空気をゲップとして出してあげましょう。

寝返りのリスク3:ベビーベッドなどからの落下

寝返りをするようになると、ベビーベッド・大人用ベッド・ソファーなど高さのある寝具からの落下事故が増えます。

ベビーベッドに寝かせるときは、必ず柵をあげておきましょう。

また、ソファや大人のベッドに赤ちゃんを置いたまま離れないようにしましょう。

寝返りのリスク4:乳幼児突然死症候群(SIDS)

乳幼児突然死症候群(SIDS)とは、元気だった赤ちゃんが予兆なく睡眠中に突然亡くなってしまう病気です。

日本での発生頻度は6000〜7000人に一人で、生後2か月から6ヶ月の間に発症しやすいと言われています。厚生労働省によると、平成30年には78名の乳幼児がSIDSで亡くなり、乳幼児の死亡原因の第4位です。

原因はまだはっきりしていませんが、最も大きな原因は睡眠時の姿勢だと明らかになっています。寝返りをうち、うつ伏せ寝の状態のままだとSIDS発祥リスクが高いとされています。

厚生労働省はSIDSの予防として、1歳になるまでは寝かせる時は仰向けに寝かせることを推奨しています。

赤ちゃんの寝返りの危険を予防する方法

仰向けで寝かせようとしていても、すぐに寝返りをうつのが赤ちゃん。
「寝返り防止クッションが危険と言われたら、どう守ってあげたらいいの?」と悩む方もいるでしょう。

疑問を解決するため、大阪市の保健師さんに電話で取材!
保健師さんによると、

「うつ伏せにならないようにグッズを使用する必要はなく、安全な睡眠環境を整えることが大事」とのこと。では、安全な睡眠環境とは具体的にどんな工夫をすれば良いのでしょうか?

安全な睡眠環境をつくるためのポイントを、

  • ベビーベッドを使っている場合
  • 添い寝で一緒の布団で寝ている場合

に分けて紹介していきます。

ベビーベッドを使っている場合

消費者庁は、寝ているあいだに窒息事故が起こるのを防ぐために大人用ベッドではなくできるだけベビーベッドに寝かせることを勧めています。

ベビーベッドは、国が定めた安全基準の検査に合格した製品であることを示すPSCマークが付いたものを選ぶことが大切です。今一度、使っているベビーベッドにPSCが付いているか確認しましょう。

ベビーベッドで寝かせている場合の、安全な寝室環境作りに注意すべき点は4点です。

1、柵は常に上げておく

赤ちゃんは日々成長しできることが増えるため、動かないと油断せず、ベビーベッドの柵は常に上げておきましょう。落下防止になります。

2、寝具は硬めのものを使う

赤ちゃん用の固めの寝具を使いましょう。

ふかふかした柔らかい敷布団・マットレス・枕は、うつ伏せになった場合に赤ちゃんの顔が埋まってしまい、窒息の危険性があります。

3、掛け布団は軽いものを使う

掛け布団は、赤ちゃんが払いのけられる軽いものを使用し、顔・頭にかぶらないようにしましょう。

4、ベビーベッドの中に何も入れない

ベビーベッドの中は何も入れないようにしましょう。赤ちゃんは、寝返りをしたり、ずり上がったりと、寝ている間も動き回ります。

枕、タオル、衣類、よだれかけ、ぬいぐるみ、クッションは口や鼻を覆ってしまうリスクが高く、ヒモは首に巻きつく恐れがあります。

添い寝で一緒の布団で寝ている場合

家の大きさや環境によって、ベビーベッドの設置が難しく、添い寝している場合がありますよね。

我が家も賃貸ゆえベビーベッドを置くスペースがなく、添い寝をしています。

添い寝の場合、安全な寝室環境作りに注意すべき点は5点です。

1、高さのある大人用ベッドで添い寝するのは避ける

大人のベッドは高さがあるため、子供が寝返りをうち落下してしまう恐れがあります。
添い寝をするなら布団かマットレスにしましょう。
大人用ベッドからの転落防止にベッドガードを使っている場合、要注意です。2017年にベッドガードとマットレスの間の隙間に赤ちゃんが挟まり死亡する事故が2件立て続けに起こりました。

画像出典元:消費者庁

ベッドガードは、一般財団法人製品安全協会が定めた製品安全基準(SG基準)で、生後18ヶ月未満は使用しないよう定められています。

 布団への切り替えが難しい場合は、一時的なものと割り切り、大人用ベッドに横付けできる添い寝ベッドを導入することをお勧めします。

レンタルサービスもあります。

2、大人の枕を赤ちゃんの近くに置かないようにする

枕を赤ちゃんの近くに置かないようにしましょう。
枕に顔をうずめ、窒息してしまう場合があるからです。

3、掛け布団は大人と赤ちゃんで分ける

親と赤ちゃんの掛け布団は分けましょう。大人用布団は重く、大きいため赤ちゃんの顔にかかったときに赤ちゃんが払いのけられず、窒息するリスクがあります。

4、添い寝する人は飲酒を避ける

お酒を飲んだ日は、添い寝する人は交代しましょう。酔った状態で眠ると自分の体で赤ちゃんを覆ってしまう可能性が高まるため、危険です。

5、寝る環境に柔らかい寝具・クッションを置かない

ベッド周りにふかふかした素材や柔らかいクッションを置いてある場合は取り除きましょう

夜うつ伏せでしか寝ない赤ちゃんの対処法

仰向けで寝させたけど、いつの間にかうつ伏せになっている赤ちゃんもいますよね。
息子もうつ伏せでないと深い眠りができないようで、直してもうつ伏せになっています。

 その場合、どのように対処して危険を防止するべきか、具体的な方法を2つ紹介します。

1、うつ伏せで寝た後に仰向けにする

仰向けで寝付くことが難しい場合は、うつ伏せで寝かしつけた後、仰向けに戻しましょう。

実際に試してみましたが、熟睡している状態だと、仰向けにしてそのまま寝続けてくれることが多いです!

2、うつ伏せにならないようにグッズを使用しない

うつ伏せを無理に防ごうとせず、安全な寝室作りを大切にすることが大切です。

寝具を固めのものにする、柔らかいクッションやものを置かないことを徹底しましょう。

もっと安全を考えるための寝るときの服装

赤ちゃんの布団に関して、国は赤ちゃんが手で払える程度の軽いものを推奨しています。
日本では産婦人科でも、新生児にタオルケットなどを使用し、掛け布団もついているベビー布団セットで寝かせているのが当たり前な環境です。

私が産んだ産院でも、赤ちゃんのベビーベッドの中には軽めの掛け布団が用意されていました。

※産院のベビーベッド写真


ただし、寝床の安全を考えると、掛け布団や枕の利用は2歳になってからがいいと、「ママと赤ちゃんのぐっすり本」(講談社)著者であり、乳幼児の睡眠コンサルタント・愛波 文さんは指摘します。

それではどんな服装で寝かせたらいいのでしょう。ポイントは2つです。

  1. 成長や季節に合わせて服装の調節をすること
  2. 掛け布団の代わりにおくるみ(スワドル)やスリーパーを利用すること。

1、成長や季節ごとの服装の目安

前提として、赤ちゃんの適温は20〜22度が理想です。
ぐっすり眠るためには親が寝室に入っていき肌寒いぐらいにするのが目安となります。
赤ちゃんが夜中に起きてしまった時に汗をかいていたら暑すぎ、体幹部が冷えていたら寒すぎです。
クーラーや暖房を使って、室温を調整しましょう。

新生児の寝るときの服装の目安
季節服装
100%綿 半袖+長ズボン+おくるみ(スワドル)
100%綿 長袖+長ズボン+おくるみ(スワドル)
寝返りをし始めた後の服装の目安
季節服装
100%綿 長袖+長ズボン
とても暑い日100%綿 半袖+半ズボン
100%綿 下着+長袖+長ズボン+おくるみ+スリーパー

 寝返りをし始めたら、おくるみからスリーパーに切り替えましょう。

2、おくるみ(スワドル)・スリーパーを使用

おくるみ(スワドル)、スリーパーを使えば、赤ちゃんが掛け布団を蹴るなどして顔や首にかかることによる事故を防ぐことができます。

おくるみとは

 おくるみとは、赤ちゃんを優しく包む大判の布のことです。おくるみで赤ちゃんを包むことで、お腹の中にいたときのような安心感を赤ちゃんは感じます。

スワドルとは

おくるみはアフガン、スワドルとも言われ、外国ではスワドルという名称が一般的です。 

手を上に上げて自由に動かせるスタイルで伸縮性のある「スワドルアップ」というユニークなおくるみが日本でも有名です。

スリーパーとは

 スリーパーは、パジャマと布団の良いところを掛け合わせた寝具です。着る布団のようなもので、寝返りをしだし、活発に動き出す赤ちゃんでも体を冷やす心配が少なくなります。

スワドルアップからスリーパーへの切り替え時期は、
寝返りの頻度が多くなってくる6ヶ月ごろを目安にするといいそうです。

<おくるみについての情報サイトの記事、大変勉強になります>

赤ちゃんが寝返りしても安全な環境を整えよう 

寝かせる時は必ず仰向けにすることが大切ですが、ママ・パパが寝入った後にうつ伏せになってしまったら仰向けに戻すことはできません。

寝ている間に不慮の事故が起きないように、できるだけ安全な睡眠環境を整えることが大切です。

寝返り防止クッションを使う時は、使うことで窒息の可能性があると念頭において、親が見ているときのみ夜間を避けて利用しましょう。

<参考>

・消費者庁「0歳児の就寝時の窒息死に御注意ください!」2016年https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/161024kouhyou_1.pdf

・厚生労働省「11月は「乳幼児突然死症候群(SIDS)」の対策強化月間です」https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000181942_00003.html 2019

・「睡眠中の赤ちゃんの死亡を減らしましょう」2018

https://www.mhlw.go.jp/content/000687166.pdf

・FDA「Do Not Use Infant Sleep Positioners Due to the Risk of Suffocation」2017

・BBC「Baby sleep positioners dropped by shops after deaths warning」2017

・「赤ちゃんの横向き寝、危険性や注意点とは? 安全な横向き寝のやり方&うつ伏せで寝る赤ちゃんの対処法など正しい寝かせ方を解説【助産師監修】https://hugkum.sho.jp/139869

・『ママと赤ちゃんのぐっすり本 「夜泣き・寝かしつけ・早朝起き」解決ガイド』愛波 文著,2018,講談社

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